ハム・ソーセージの豆知識

【第1章】ソーセージの歴史は5000年

但馬の郷 ソーセージセット。 地球上に人類が登場した当時から、獣が食用とされていたのは明らかですが、初めの頃は肉類を生で食べていたと思われます。その後、火を使うことを覚え、焼いたり、煮たりする様になりました。だんだん文化が進むと、肉を干したり、煙で燻すなど保存することを考え、今の肉加工の始まりとなったのです。5000年位前にメソポタミア地方で豚の腸に混ぜ合わせた肉をつめてソーセージを作ったという説もあります。 又、食肉を加工した記録として最も古いのは、ホーマーの詩の中に「ソーセージ」という言葉が載っているのですが、それはなんと紀元前900年頃のものなのです。

但馬の郷 植野

日本のハム・ソーセージ、その歴史は浅い

ヨーロッパの食肉加工の歴史は古く3000年も前のローマ時代から現在に類した加工が行われていました。ドイツに代表されるように、その形態は家内工業から脱皮した中小企業的なものが多いようです。
日本はというと、肉を何らかの形で加工したと思われるのは、奈良時代までさかのぼりますが、ハム・ソーセージの加工が始まったのは今から約130年前の明治5年、長崎市大浦で製造されたのが最も古いとされています。 その後、高度経済成長の波に乗りハム・ソーセージの生産量は増加し、日々の食卓に登場するようになりましたが、まだ、たった40~50年前のことです。しかし、ここにいたるまでには、明治、大正時代にヨーロッパから学んだ食肉加工の技術を基にし、品質の追求、改良などの努力を重ねてきました。その結果、日本人にも受け入れられる食品に育ったものだと思われます。

但馬の郷ハム・ソーセージ

【第2章】原料肉(豚肉)について1

 優秀な食材、豚肉。その先祖はいのしし

うちで最も利用価値が高いのは、豚肉だといえます。 生肉での消費はもちろん、肉製品の主体となる、ハム・ベーコン・ソーセージは、いずれも豚肉が主原料で、その他、脂肪はラードとして、皮はゼラチンとして利用されます。また、豚肉には、良質なたんぱく質が豊富な上に、疲労回復やイライラを防ぐ効果があるといわれているビタミンB1が多く含まれています。(牛肉に比べると、約10倍の含有量があります)

そんな食の上では欠かすことのできない豚肉の祖先は「いのしし」と言われており、色々な「いのしし」が各地で家畜化されたのが始まりと思われます。 紀元前6000年の西南アジアの遺跡で、すでに豚の骨と思われる物が発見されているので、いのししから豚になったのはずいぶん昔のことです。

いのしし

豚は割高?

 

豚には、ヨーロッパイノシシを祖先とするヨーロッパ種と、アジアイノシシを祖先とするアジア種がありますが、日本ではヨーロッパ種が主に飼育されています。 中でも、大ヨークシャーとランドレースという種類が中心で、これらは改良され、脂肪が少なく、赤身が多く、その上繁殖力、発育に優れた大きな豚です。 一方、黒豚と呼ばれる、バークシャ種は、味のよいことで定評があります。 しかし、飼育効率がほかの品種に比べて劣るので、割高になっています。 日本にも色々な品種の豚肉がありますが、良い豚肉の選び方は、次の様なことに注意すれば良いと思います。

【肉質】 きめが細かいものほど、やわらかく良質です。赤身の中に適度の脂肪が交雑して、しまりのあるものが望ましいです。
【肉色】 淡いつやがあり、ピンク色で光沢のあるものが良いです。
【脂肪】 白く、つやとねばりのあるものが良好です。

但馬の郷ロースハム

【第3章】原料肉(豚肉)について2

原料肉の特性を知る事が食肉加工の大原則

豚肉は用途により各部位に分けられますが、肉色・香り・赤肉と脂肪の比率・筋繊維の硬さはもちろん、化学的・物理的特性も違い、それぞれの特性に応じて各部位を使い分ける事が食肉加工の大原則と言えます。豚肉は左の図の様に分けられます。

1.ロース
やわらかく、ほどよく脂肪がついている。ロースハムはこの部位でつくる。
2.もも
用途により、さらに、内ヒラ・外ヒラ・マル・ラムと分ける事がある。豚は体全体を支える足が小さいのでももの部分の筋肉が発達していて脂肪は少ないが味は良い。タンパク質・ビタミンB1を含んでいる。
3.バラ
助骨についている肉と脂肪が層になっており、三枚肉と呼ばれる。肉質はやや堅いが時間をかけて加熱すると非常にやわらかくなり、風味とコクがでる。ベーコンはこの部分でつくられる。
4.かた
ももと同じで頭と体を支えている為、筋肉が発達している。肉質はかなり堅い。しかし味は良く、価格的にも他の部位より手頃である為、ウィンナーソーセージによく使われる。
5.かたロース
かたに近いロースの事。ロースに比べ少し筋が多いが、うまみの成分であるアミノ酸が多いので味が良い。焼豚などによく利用される。
6.ヒレ
ロースの内側にあり、脂肪の少ないやわらかい肉。ヒレカツやソテーに最適。
7.すね
旨味が出るのでスープなどのだし用によく使用される。タンパク質や脂肪は多いがビタミンは少ない。
豚肉の名称

原料肉は鮮度が命

ビーフステーキや鯖の刺身などは、ある程度時間の経った方が風味が良く美味しい。この風味が良くなる貯蔵の事を熟成期間と言います。ただ肉の種類によっては熟成期間に差があります。牛肉では長く、豚肉では短い。又、風味の向上にも差があり「牛肉は腐る一歩手前が一番美味しい?」と言われる様に熟成により風味が向上しますが、豚肉ではあまり熟成の効果は期待できません。ハム・ソーセージに適した豚肉となると、よく熟成した原料肉よりも鮮度の良好な新鮮なものの方が好ましいです。それは鮮度の良好な肉とそうでない肉で作った製品を比較した場合、製品の善し悪しにつながるからです。特に結着性・保水性に差が出ます。結着性・保水性の悪いソーセージを食べると、口にザラザラとした感触が残り美味しくなくなります。ハム・ソーセージをつくる時には肉の鮮度を落とさないことが必要です。その為には肉温・冷蔵庫の温度管理と手早い作業が要求されます。

【第4章】ハム・ソーセージに欠かすことの出来ない「塩」について

塩は味付けだけでなく別の目的もある

塩はハム・ソーセージの味を左右する最も重要な調味料ですが、他の調味料と違うのは味付けだけでなく別の役割も持っている事です。それらは大きく分けると次の3つになります。

  1. 肉の保水力や結着性などを向上させる。
  2. 色や香りを良くする。
  3. 細菌の増殖をおさえる。

 かつては肉に塩を加えて保存性を良くする事が一番の目的だったのですが、現在ではと畜後の処理方法の改善や冷凍・冷蔵設備の向上により、保存性よりも風味・色調・保水性・結着性を良くする事を重視する様になってきました。また嗜好性の面からと、健康上、高い塩分の摂取を好まなくなった事により、添加される塩の量も以前に比べかなり減少しました。成分分析の結果からみても、製品により、又メーカーにより差はありますが製品中の食塩濃度は2%前後となっており、年々低下の傾向となっております。

塩

塩についての豆知識

ハム・ソーセージの良し悪しの鍵を握る「塩」ですが、その塩について少し調べてみました。

1.体の中の塩

塩は人間の体内に一定の割合で含まれ大切な役割をしています。人間の体重の70%が水分で、このうち1/3が血液や胃液などの細胞外体液と呼ばれるものです。この細胞外体液の中に約0.9%の塩が溶けています。塩は水分の量や浸透圧を調整します。又、筋肉の収縮を助け、血液や胃液の成分となって働くなど人間が生きていくのに欠かせないものとなっています。そんな塩ですが、とりすぎると体に悪いことはよく知られています。欠乏しても体に害を及ぼしますので、適量な塩分摂取が健康な生活に結びつきます。

2.日本の塩の生産と消費

日本では1年間に約900万tの塩が消費されます。この内、調味料や食品加工などの食用として使われるのは約15%です。残りはソーダー工場を中心とする多くの分野で使用されています。 一方、塩の供給はというと、国内の生産は約140万tで、残り約750万tは輸入されます。国内の製塩工場でつくられる塩は食用を中心に使われ、工業用の多量の塩は、メキシコ・オーストラリアから輸入されています。

【第5章】香辛料について1

ソーセージの語源は豚肉を香辛料で味付けした食物

香辛料は、東南アジア地方などに生産する芳香性の植物、種子、葉、根などを乾燥したものです。香辛料を食品中に加えると、それぞれのもつ香気、辛味によって食欲を増進させ消化を助けます。その他に食品に防腐性を与えるなどの効果があります。
ソーセージの語源に、古代ドイツ語で牝豚という意味の“Sau”という言葉と、ほろ苦い香辛料という意味の“Sage”という言葉が合成されて“Sausage”という言葉ができたとされる説があります。つまりソーセージとは「豚肉にほろ苦い香辛料で風味をつけた食べ物」という意味になります。そのような説もある様に、ソーセージにおいて香辛料の果たす役割は大きいです。ソーセージに比較的よく使われる香辛料は、胡椒・メース・ナツメグ・コリアンダー・唐辛子・セージなどです。香辛料の選び方や使用量によって、ソーセージの味に様々な個性をもたらします。

香辛料

中世のヨーロッパの人にとっては、香辛料は生きるための必需品であった

香辛料は古代から貴重品として知られており、その原産地などは不明で神秘的なものとして扱われていました。その後、中国とヨーロッパの貿易が始まると香辛料の消費は多くなり、ついに十字軍の遠征によって香辛料がヨーロッパ人にとって強いあこがれとなっていきました。
中世社会では、香辛料は極めて重要なものとなり、胡椒はヴェネッア人に「天国の種子」と呼ばれる程、価値の高いものとなりました。16~17世紀にかけては、香辛料を手に入れる為に命をかけて争ったという歴史的事実もあります。それだけ香辛料は、中世のヨーロッパ人にとって生きるための必需品だったためなのです。

 ヨーロッパ人は、冬になると飼料の問題から家畜の大部分を殺し、その肉を塩漬けにして保存食にします。塩漬けの肉は、日数が経つと腐敗してしまい、味もにおいも落ちてしまうため、食べるの苦労します。しかし厳しい冬を乗り越える為に、春まではその肉を食べ続けねばなりません。そのために、におい消しや防腐作用のある「香辛料」が必要だったのです。香辛料はにおい消しや防腐以外に胃や肝臓などの薬としても使われ、当時は「万能の薬」といわれる程、なくてはならないものだったのです。

【第6章】香辛料について2

貴重な香辛料 ハム・ソーセージには欠かすことのできない香辛料。その数は何十種類にものぼりますが、それらは、いろいろな分類の仕方をされます。ここでは三つの分類の仕方を紹介します。

1.植物の文位による分類

次の図のように分けられます。

植物の文位による分類

もう少し大きく分けると次の様に分類できます。
「シードスパイス」…種子のスパイス
「ハードスパイス」…葉や茎のスパイス

2.天然型と加工型に分類

天然スパイス」…植物を乾燥したり、くだいたりしたもので人為的加工をしていないものです。天然スパイスはさらに形態により三つに分けられます。

天然スパイス

「生スパイス」…パセリ・オニオン・ガーリックなどが代表的です。
「原型スパイス」…生スパイスを乾燥させたものです。最もスパイスらしいスパイスといえ、料理通にも好まれます。代表的なものとしてホワイトペパーやブラックペパーがあります。
「粉末スパイス」…原型スパイスを粉末にしたものです。手軽に用いられる為、重宝がられますが湿気には気をつける必要があります。

加工型スパイス

植物を水蒸気蒸留したり、溶剤を使用し抽出するなどしてつくります。ケーキなどに使う各種エッセンスや香油類が加工型スパイスです。

3.味による分類

 辛い味・ほろ苦い味・甘い味・さわやかな味の四つに分類され、代表する香辛料としては次のようなものがあてはまります。
「辛い味」…マスタード・ペッパー・ジンジャー・オールスパイス・クローブ
「ほろ苦い味」…セージ・オレガノ・タイム・マジョラム・ターメリック
「甘い味」…シナモン・パプリカ・バニラ
「さわやかな味」…ミント・ペイリーフ

【第7章】燻製について 1

但馬の郷の燻製商品 「燻製法、その歴史とは」
燻製法の歴史に入る前に、燻製とは何か? を簡単に説明します。

燻製の基本的工程

「干す」「塩づけ」「燻す」の組み合わせで、一般的には次の様な手順で進みます。

燻製の基本的工程

燻煙の方法により次の様に分けられます。

 

「冷燻製」「温燻製」「熱燻製」

但馬の郷くんせい

燻煙の材料

燻煙材には樹脂の少ない広葉樹の堅い木が好まれ、樹脂を多く含む針葉樹は香りも良くなくススがつくので使われません。

燻煙の歴史

人間は火を使う知恵を持った事で煙の存在を知りました。 たまたま家の中に吊しておいた魚や畜肉が、「かまど」から出る煙によっていぶされ、その結果それらの腐敗を防ぐとともに香りも良くなっていた。というのが「燻煙法」の始まりでした。 燻煙という保存方法は石器時代に考え出されたとされています。 それまで、天日で乾燥させる方法にとらわれていましたが、天日で干すだけでなく、火から生じる煙が乾燥をより効果的にする事に気づいたのでした。 燻製法をより完成度の高いものにしたのが「塩蔵法」との出会いでした。塩蔵法とは、素材に塩分を浸透させる「塩づけ」の事です。 最も古い「乾燥法」に加え、煙でいぶす「燻製法」と「塩蔵法」が組み合わさり、さらに「スパイス」の発見によって「燻製法」が完成したのです。これが現代のハム・ソーセージに引き継がれているのは言うまでもありません。 燻製は様々な歴史を経て、世界中のいたる所でその地方色豊かな燻製品として完成し、生活に色どりをそえてくれています。

但馬牛のくんせい

「日本の燻製品」

日本では古来どの家にもあった「いろり」の活用により「燻煙法」はごく自然と生活の中に取り入れられていたと思われます。代表的なものの一つとして、秋田の「いぶり大根」があります。雪の多い東北地方では大根などの漬物を外で天日干しできないので、いろりの上に天井から吊し、煙でいぶして乾燥させました。室町時代からこの製法で大根づけが行われ「いぶり大根づけ」と呼ばれていました。 日本の燻製品といって最も有名なのは「鰹節(かつおぶし)」ではないでしょうか。毎年、黒潮にのって日本近海を回遊するカツオは、大昔から保存食として加工されていました。平安時代には、まきでいぶした「燻煙法」によって、それまで以上に保存がよくなり重宝されるようになりました。戦国時代にはその保存性の良さから戦陣食として用いられ、音をあてて「勝男武士」などとも呼ばれていたそうです。

【第8章】燻製について 2

燻煙材で使用される一種。 「サクラ」 燻製の仕上がりの良し悪しを決めるのは燻煙の時の煙の量と温度管理と言えます。 燻煙の量…燻煙材の形状や量、含水量、燃焼湿度、酸素との割合などにより違ってきます。 温度管理…スモーカーの大きさ、熱源との距離、外気温などが影響します。どの製法でもはじめは低い温度から、徐々に温度を上げていく事が大切です。 次に燻製の方法(冷燻法・温燻法・熱燻法)をもう少し詳しくみてみると次の様になります。

サクラ

冷燻法…15~30℃の温度帯で1~3週間かけて燻煙します。

熱凝固しない範囲の温度で行います。燻煙の後ボイルなど温度を上げて加熱する事はしません。燻煙時間が長い為重量の減少が大きいのですが、乾燥が進み熟成が行われるので、保存性が高まり風味が良くなるのが特徴です。生ハムなどがこの方法でつくられています。

温燻法… 30~50℃の温度帯で燻煙します。

この温度帯では脂肪は融点を超えるので脂が流出しやすくなり、またタンパク質は一部が凝固しはじめます。最も一般的な燻煙の方法で燻煙後にボイルする事が多いです(中心温度は70~75℃にする)燻煙の香りと風味を楽しむには最適です。ロースハムやボンレスハム、ウィンナーソーセージなどがこの方法でつくられます。

熱燻法… 50℃以上のタンパク質の熱凝固点を越える温度帯で燻煙します。

よく使われるのは60~65℃の温度帯です。この条件だと肉の発色もよく燻煙の時間も短くて済むという利点があります。ロースハムやボンレスハム、ウィンナーソーセージなどがこの方法でつくられます。熱燻法の中には90~120℃という高温で燻煙を行う事もあります。それらを区別して焙燻法という事もあります。

燻煙材について

人それぞれ好みの香りがあると思いますが、ハム・ソーセージに使用される燻煙材も、それぞれ特徴のある香りを持っていて、つくる人の好みで燻煙材を選んでいます。一種類を単独で使う場合もありますが、何種類かをブレンドしてオリジナルな香りのハム・ソーセージをつくっている人もいます。 また、お茶やざらめ砂糖を加えたり、ハーブやスパイス類を混ぜて香り付けを楽しむ方法もあります。 下記によく使われる燻煙材の特徴を記載します

燻煙材 特徴
サクラ 香りが強いのが特徴。
ソメイヨシノでなくヤマザクラの方がよい香りを持つ。
豚肉・魚・ハム類・くせのあるマトンにも合う。
リンゴ 果樹特有の甘い香りを持つ。
マイルドな仕上がりの鶏肉や白身魚に合う。
ナラ タンニンが多く色つきが良い。魚介類に合う。
オニグルミ 非常にかたい木。香りが良いのでオールマイティーに使用。肉や魚に合う。
ブナ タンニンが多く色つきが良い。
やや渋味があるがすっきりした香り。
魚介類に合う。
ヒッコリー 欧米では最も有名な燻煙材として使われている。
香りが良好。
肉・魚・ハム・ベーコンなどに合う。

当工房では、桜のチップで燻した時の香りが気に入っていて、燻煙材としては桜の木を使用しています。最近はホームメイドのスモークを楽しむ方が増えていますが、いろいろな燻煙材を使用してオリジナルな燻製を楽しんでみてはいかがでしょう。

【最終章】ソーセージの話

ソーセージの歴史は5,000年 豆知識【第1回】の中でふれたように、ソーセージは人類の歴史の中で、極めて古くから知られている食品のひとつで、長い伝統にはぐくまれてきました。 そのソーセージは、世界各国でつくられており、その呼び名は、ドイツ語でWrust(ブルスト)、フランス語でSaucisse(ソーシス)、スペイン語でKorb(コルブ)、ポーランド語でKielbasa(ケルバサ)、ハンガリア語でKorbas(コルバス)、ロシア語でKarbas(カルバス)などと呼ばれています。 また、ソーセージには良質なタンパク質とともに、ビタミン群や、リン、マグネシウム、銅、鉄などの貴重な給源となる食品でもあります。 ソーセージの種類について ソーセージと一口に言っても、その種類は何千種類にものぼりますが、製造方法により大きく3つに分けられます。

●ドライ・ソーセージ
●ドメスティック・ソーセージ
●スペシャリテ

それぞれの特徴と代表的な製品は以下のようになります。

●ドライ・ソーセージ
長期保存を目的につくられています。低温で時間をかけ乾燥し、くん煙をかけています。水分含量が低くなり、長期保存が可能となりました。
サラミソーセージ  ギブロス島の古都、サラミスが発祥の地と言われています。水分含量は35%以下で、重量が半減するくらいに乾燥したものです。酒の肴に、ピザやパエリヤなどの味付けに用いられています。
セシドライソーセージ サラミより、やや水分の多い、水分含量50%以下のものでオードブルに向くソーセージです。
●ドメスティック・ソーセージ
ほとんどのソーセージがこのタイプのものです。温燻製して、ボイルするものやボイルのみのものもある。乾燥はあまりしないので、水分が多く、長期保存には耐えない。新鮮なうちに食べるソーセージです。
フランクフルト
ソーセージ
ドイツのフランクフルト地方が発祥の地。豚の腸に詰めて燻煙をかけた太めのソーセージ。
ウインナーソーセージ 羊腸に詰めた細めのソーセージ。1805年にフランクフルト市のソーセージマスターがオーストリアのウイーンを訪れ、初めてフランクフルトソーセージを公開したのがきっかけとなってできあがりました。
リオナソーセージ フランスのリオン地方のソーセージ。ソーセージの中にグリンピース、レッドピーマン、角切りの脂肪などがあるのが特徴。
ボロニアソーセージ 牛腸に詰めた太いソーセージ。イタリアのボローニャが発祥の地。やわらかくきめの細かいソーセージ。
レバーソーセージ 豚肉とレバーでつくった、ペースト状のもの。栄養価の高いソーセージ。

 

●スペシャリテ
ケーシングに詰めないタイプのソーセージ。
ローラーデラー  豚の三枚肉にソーセージペーストを巻いたもの。オードブルに用いられる。
レバーパイ レバーソーセージを背脂で包んで蒸したもの。オードブルに用いられる。